フリーターでバンド活動を続けている人は多くいます。筆者も27歳ごろまでフリーターでしたが、周りには30代でフリーターを続け音楽活動をしている人も多くいました。
しかし、例えば30歳を過ぎるとバイトの面接も厳しくなり、体力的にバンド活動と並行して長時間のバイトシフトを組むことも難しくなります。何歳くらいまでであれば、フリーターでバンド活動を続けることができるのでしょうか。
1. バンド活動を続けるのは26歳が一つの目安になる
フリーターを辞め就職する年齢の目安としては、26歳ごろが一つの目安になります。26歳であれば未経験でも正社員募集している仕事が多く、バイトも見つかりやすいため、フリーターを継続しながら転職活動も行いやすいでしょう。
筆者の場合は、27歳ごろまで飲食店で経験を積んだあと、人材営業の正社員へ転職しました。未経験職への転職でやや応募先も限られましたが、営業職はこれまでのキャリアを問われることが少ない業種のため、比較的に難易度が低いと考えて面接を多く組んでいました。
20代であれば、バンドマンを継続しながら仕事を選ぶにも、選べる就職先が多いことはメリットとなります。後のキャリアプランを見据えて業界・業種を適切に選べば、後の転職やキャリアアップも狙える年代です。
30歳を過ぎたフリーターでも就職はできる?
30歳を超えて正社員経験が無いと、選べる業界は非常に少なくなります。30代の中途採用では、未経験ではなく即戦力となる人材募集が行われるためです。以下、総務省の労働力調査の資料を見てみましょう。
※引用:総務省「労働力調査(2021年)」
「求人の年齢と自分の年齢とがあわない」という回答が35~44歳の年代で急増していることが分かります。35歳以降になると求人数が少なくなることもありますが、求人自体がハイクラス向けであったり特定のスキル・経験を持った方になることも要因でしょう。
ただし、正社員になれる可能性が0というわけではありません。これまでフリーターで培ってきたスキルを活用すれば就職できるケースも多くあります。
例えば、コールセンターでアルバイトをしていた方であればスーパーバイザーとして就職できたり、飲食店でバイト経験が長い方であれば本社採用されるケースもあります。つまり、フリーターであっても、「どのような業界にいたか?」「どんなスキルを持っているか?」という視点で、面接が行われるのです。
その他、プログラミングスクールや英会話でスキルを身に着けたり、宅建資格などの資格を取得することで就職できる可能性を上げることもできます。いずれにせよ、フリーターであった時期にどのようなことをしていたかで、就職できる可能性はあるということになります。
2. バンドマンでフリーターを続けるメリット・デメリット
以上を踏まえてバンドマンでフリーターを続けるメリットデメリットを見て行きましょう。
2-1. フリーターを続けるメリット
フリーターを続けるメリットで大きいのは、やはり時間の融通が利きやすいということでしょう。フリーターであれば、突発的なライブスケジュールを組むことができ、遠征や、長い時間を音源作成の期間として利用することが出来ます。
また、筆者がフリーターを続けていた中でメリットに感じたのは、責任の割合が非常に少ないため、仕事に費やす熱量が少なくて済むことです。売上目標やクレーム対応などは正社員の責任になるので、業務中に作曲のアイディアを考えていることもザラにありました。
その他、平日にライブを組めることもフリーターを続けていた理由の一つです。平日のライブだと15時ぐらいにリハーサルがあるため、1日休みを作って対応できていました。正社員が多いバンドだとリハーサルが行えていなかったので、この点もメリットに感じていました。
2-2. フリーターを続けるデメリット
フリーターを続けるデメリットは、責任の多い仕事を任せてもらえず、スキルや経験が身に付きづらい点です。
雇用契約上は正社員もアルバイトも就労条件に違いはありませんが、日本では「パートタイム=責任を負わせない」というイメージが強く、部下を持ったり、対外的な折衝を行うポジションにつかせない傾向があります。
このような傾向は転職・就職時にもマイナスに働きます。職務経歴にアルバイト経験しかないと、「責任を持った仕事をしたことが無い」という風に見なされてしまうケースもあります。
筆者の友人で30代以降もフリーターを続けている人がいますが、アルバイト先が見つからずに苦心している人が徐々に増えてきました。また正社員への就職先も限られてくるので、「アルバイトが楽でいい」という状況に慣れてしまっている人もいます。
また、フリーターと正社員では収入の違いも顕著に現れます。下記、正社員とフリーターの年収推移をグラフ化したものです。
男女ともに20代から徐々に収入に差が開き、フリーターの40代以降は下落していきますが、正社員では徐々に上昇し、50代で1.5倍ほどの差が出ていることが分かります。雇用の安定性と収入面の両方から、フリーターで働くメリットは徐々になくなっていくと言えるでしょう。
3. バンドマンでフリーターを続けるコツ
バンドマンでフリーターを続けるコツは、「年齢」と「スキル」を意識することです。自身の年齢が20代であれば、30代を見据えて特定のスキルが身に付きやすいバイト先を選んだり、バンド活動の合間にスキルを身に着けられるようスクールに通うなど対策をしておくと良いでしょう。
30代以降でフリーターを続ける場合も基本的な戦略は同じですが、後の就職が難しくなるリスクを受け入れる覚悟が必要です。スキル・経験を必要とする求人が増えてくるため、これまでの経験の棚卸をして、いざ就職をする際の業界にめぼしをつけておくと良いでしょう。
筆者の友人には30代でフリーターを続けながらも、ようやく音楽の収入だけで生活できるようになった人もいます(かなりレアケースですが)。本気で音楽に向き合うためにフリーターという道を選ぶのであれば、一つの選択肢として検討してみるのも良いでしょう。
4.バンドマンから正社員に就職する方法、両立するコツは?
バンドマンと正社員を両立している人は少なくありません。むしろ、30代以降でもバンドを続けている方の多くは正社員で一定の収入を得ながらバンド活動を両立している人が多いと思います。
メンバー同士で休日を合わせたり、休日に練習やライブのスケジュールを集中させることで定期的な活動が可能です。収入面が安定するだけでなく、スケジュールも固定になるので、活動のサイクルを一定に保ちやすいのもメリットです。
また、個人的に「バンドマンが続けやすい正社員の仕事」というのは特に無いと思います。それぞれの特性や住んでいる環境によっても違いが大きく、一概にバンドマンが働く職業はコレ、みたいなものはありません。
これまでフリーター歴の長い方は、まずは自身のキャリアとスキルでどのような仕事に就くことができるのか、棚卸しをされるのが良いと思います。転職エージェントなどのキャリアコンサルタントに相談し、「どのような仕事が選べるのか?」「どのような仕事が向いているか」、情報収集から始めてみましょう。
4-1.おすすめ転職エージェント
マイナビエージェント
マイナビエージェントは、転職サイトのマイナビが運営する転職エージェントです。
また、「マイナビクリエイター」など専門業界に特化したサービスも展開しており、希望に沿った転職を実現できる仕組みもあります。若年層向けの求人が多いため、20~30代の方でも利用しやすい点がポイントです。
大手の転職サービスであるため、求人数も非常に豊富です。全国に対応しているので、「前に登録したエージェントでは求人数が少なかった」と感じた方は登録してみましょう。
DYM就職
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